◆工法の概要
「冠水斜面を緑化し保護する」
ダム湖岸や貯水池内などの湛水斜面は、波浪による浸食や乾湿を繰りかえすこと、さらに面積が広大なことなどから、緑化による保護が困難とされてきました。
みずあかね工法は、水陸両用植物である”メリケンムグラ”の種子を内蔵した”ディアールマット”を敷設し、ディアールマットとメリケンムグラの相乗効果により 水位変動域斜面を緑化・保護できる画期的な工法です。 また、導入するメリケンムグラは浮遊性の種を実らせることから、年を追う毎に分布域の拡大が期待できます。
◆特 徴
【周辺環境との調和】
⇒裸地部を緑化することで、周辺環境との調和のほか、修景改善が図れます。
【水質改善】
⇒湛水斜面に生育する他の植物に比べ、リン酸・窒素分を多く含むことが分かっており、水質悪化の抑制が期待できます。
【湛水斜面の浸食抑制】
⇒湛水斜面に対する風化・波浪浸食を、成立したメリケンムグラとディアールマットの相乗効果により軽減します。
【分布域の拡大】
⇒浮遊性のメリケンムグラ種子は、貯水位の変動により未施工域への分布拡大が期待できます。
◆導入植物 メリケンムグラとは
みずあかね工法で用いるメリケンムグラとは、アカネ科の多年生草本で、北米原産の帰化植物です。 水位の変動によって乾湿を繰り返す斜面など、在来種が定着し得ない場所にうまく適応する水陸両用の植物です。 なお、在来植物を駆逐し繁茂するような植物ではありません。
◆養生マット ディアールマットとは
メリケンムグラなどの種子・肥料・土壌改良材を内蔵した不織布養生マットです。
降雨や波浪のストレスから水位変動域斜面を保護するとともに、土中の水分蒸散を防ぎ、さらに暑さから種子を保護することができるので、翌春にはメリケンムグラが芽吹きます。